私の経験がだれかの役に立つ: My experiences help someone

私が経験したこと、知ったことをつづり発信します。だれかにとって有益な情報になればとの思いを込めて。

車を、買い取り業者に買い取ってもらう

表題のとおりの経験を記します。これから車を買い取ってもらおうとするひとの参考になれば幸いです。

車のスペック

  • メーカー:スズキ
  • 車種:MRワゴン
  • グレード:X
  • 年式:2006年式
  • 走行距離:82,000km
  • 色:茶色
  • 無事故、無修理

手放す背景

車を使わない地域に引っ越すから。買い替えではなく、手放すだけ。

 

 

3か月ほど前にネット上の一括査定サイトで査定したところ、複数の業者からメールや電話が嵐のように来ました。その中からエイヤッで4社を選び、訪問見積もりを依頼しました。みなさん対応が早く、「あした来てほしい」という私の急な要望に応えてくれました。一社は「今日はご都合いかがですか」と先手を取りたい雰囲気が出ていました。私は当日でもよかったため、OKして夕方来てもらいました。

見積もりしてもらった順に

  • A社
  • B社
  • C社
  • D社

とします。最後の方に会社名を明かしています。

それぞれの担当者とのやりとりを記します。

査定の流れはどこの業者も同じでした。アンケートに記入して、車検証を見せて、あとはカギを担当者に預けます。担当者は20~30分車の様子を見ます。私はやることがないので家でケータイで呼び出してくれるのを待っています。

その後交渉に入ります。査定には私は立ち会いませんでした(車にいたずらされるとか心配なら立ち会ったほうがいいいかもしれません)

 

A社

担当者は30代半ばと思われる長身の男性でした。顔立ちが整っていて、いわゆるさわやかイケメンです。

A社「引き渡しの際はご自身で店舗まで運びますか」

私「取りに来て欲しいです」

A社「その場合は陸送費5000円かかります」

私「え・・・店舗ってどこでしたっけ」

A社「○○です」

私「駅は近いですか」

A社「車で10分位です、歩くと1時間とかかかると思います」

私「駅まで送ってもらえますか」

A社「タクシーを呼ぶことはできます」

私(そんなの私だってできるわ、バカにしているのかな)

A社「あと、引き取りの後、車の不具合があった場合は修理費を請求させていただいてます。でもこのサービスに申し込めば(1万円)引き取り後のお金の請求はないです。ご検討ください」

A社「車の額はいくらをご希望ですか」

私「高い方がいいです」

A社「上の者と掛け合わないと、私だけでは決められないので、希望額を言っていただかないと。即決してくれるならがんばって上と交渉しますよ」

私「即決はしません」

A社「即決してくれないと上と交渉できないんですよ」

私「交渉はいいので、最低いくら出してもらえるのか、即決しなくてもこの額は必ず出しますという額を教えてください」

A社「この車がどのくらいの額で販売されているかわかりますか。見てください(タブレットで中古車のサイトを見せる)20~30万ですよ。しかもここに載ってるのはグレードが良かったりターボエンジンだったりします。あなたの車ならもっと安いです。10年経ってますしね。これが買い取り相場の本です。毎月出ています。見てください(黒い本を見せる)あなたの年式だともう載ってないんですよ、値がつかないってことです。即決するなら金額つけますから」

私「即決はしません。それはもう決めたことですから」

A社「私、何社目ですか」

私「一社目です」

A社「他に何社に査定してもらう予定ですか」

私「3社です」

A社「他と交渉しても同じですよ。みんな買い取った車は中古車のオークションに出しています。だからどこに売っても同じですよ」

私「だとしても、即決はしません。そもそも今さっき初めて会ったあなたの話を100%は信じられないですよ、わかりますよね」

A社「同じなんですけどね、みんな中古車のオークションに出しているわけですから」

 

このようなやりとりが続きました。A社は即決にこだわっていました。このまま会話をつづけても「即決してくれたら・・・」「即決はしません」の繰り返しで時間の無駄と思った私は、話題を変えました。

私「とにかく即決はしません、最低いくら出せるかを教えてください。上と交渉しなくていいですから」

A社「5~10万ですね」

私「わかりました。ありがとうございました」

 

A社は5~10万という額を言って、言ったあとはあっさり退散しました。「これだけ古いし距離も走っているから値がつかないものなのに、うちは値を付けようとしている」というようなことを捨て台詞のように言っていました。

 

翌日、B社、C社、D社に査定してもらいました。

 

B社

40代後半から50代前半と思われる男性です。私より20歳近く年上ですから、ある意味親子くらい年が離れていますが、 年下の私に非常に丁寧にあいさつしてくださいました。A社の馴れ馴れしさとはまったく異なる対応です。真っ赤のギラついたネクタイだけが気になりましたが、それ以外は好印象です。

査定後はやはり

「即決していただければ精一杯がんばります」という話になりました。

私「昨日の業者さんも同じことを言ってました。でも即決はしません。他の会社にも見てもらってから考えます」

B社「そうですよね、わかります。ちなみにあと何社ありますか」

私「あと2社です、合計4社に見てもらいます」

B社「すべて今日ですか」

私「はい。」

B社「この車はワンオーナー(私が新車で買ったということ)ですし、事故もありません。車にキズがなく、とてもきれいです。また、女性のオーナーということで車内もきれいですね。ですから私としても、大切にされていたお車をぜひとも買い取りさせていただきたいです。」

私(へぇ、ワンオーナーということが価値になるとは知らなかった)

私「ありがとうございます」

B社「いつごろ手放す予定ですか」

私「○日にここを引っ越します。その日はアパートの管理会社が立ち会えないとかで、別の日に転居立ち合いをするんですが、管理会社からの回答がまだで決まってません。転居立ち合いの日に車を手放したいと思っています。」

B社「そうですか、できれば早いほうがいいです。こちらは受け取って一通り整備して販売にかけますが、整備に数日かかるんですね、今月中に整備が終わると次の販売(?)に間に合うんですよね。」

私「そうですか。私もできれば早く転居立ち合いと車の手放しをしたいと思っています。たぶん△日にはできると思うのですが・・・遅くても□日には手放します」

B社「わかりました。」

私「ところで、この車いくらになりますか。即決はしないので、即決しなくても最低でもこの価格は出せますというのを教えてください」

B社「はい、私としても高く買い取らせていただきたいです。基本的には他社さんと同じでオークションに出します。だから他の買い取り業者さんも同じなんですね。ただ、うちの場合は販売店もあるので、オークションに出さずに販売することもあります。お客さんによっては希望の車種や色があり、入荷を待っていることもあるので。その場合は少し高くできたりするんですよ。」

私「そうなんですね」

B社「とりあえず最低10万は出します。それ以上どこまでがんばれるかは状況次第としか言えなくて・・・」

私「はい、わかりました。」

 

中古車業界のことを知らない私に、業界の流れをわかりやすく説明してくれました。

 

B社「このあとの業者さんにも即決しないでいただけると助かります。いい額を言われたらその場で決めずに私に電話を下されば精一杯やらせていただきますので。それで、4社の査定が終わるのは何時ごろになりますかね。その頃に私からお電話させていただきます。」

私「はい、15時くらいには終わると思います」

B社「わかりました。その頃にまた電話させていただきますね。どうか、なにとぞ即決しないでいただけると助かります」

私「はい、即決はしないつもりです」

 

B社とのやり取りには、私は正直驚きました。同じ買い取り業者とはいえ、A社とB社では全く異なる対応でした。A社は「たいして価値のない車を買ってあげようとしている」という姿勢です。B社は「大切なお車を買い取らせていただく」という姿勢です。もちろん本音は違うかもしれません。でも、表向き、どのような姿勢を見せるかという点でA社とB社はまったく異なりました。

また、最低価格という私の質問に対する答えもことなりました。A社は「基本的に値が付かない車に5万は出しますよ、よくて10万、無理ですよ、こんな車」というような回答でした。B社は「10万は確約します。それ以上は精一杯がんばります」

この時点でA社に売るという選択肢はなくなりました。

 

C社

30代半ばくらいの男性でした。一通り見た後

C社「いくらをご希望ですか」

私「高いほうがいいです」

C社「それはわかりますけどね、こちらも上の者と掛け合わないといけないんです。私は決められませんから。だから希望額を言っていただければ、その額で掛け合いますよ。私はあなたの味方ですから、私が掛け合って希望額になるよう努力します。」

私「希望額はないです。より高いほうがいいです。即決はしません」

C社「即決できる額(希望額)を言ってくれないと上と交渉できないんですよ」

私「交渉しなくていいので、最低この額は出せますよという額を教えてください」

C社「なんで即決しないんですか、これ以上ほかの業者に見てもらっても同じですよ。オークションに出すから、どこも同じなんですよ。時間の無駄ですよ」

私(みんなそんなこと言うけど、最低額はA社とB社で全然違ったじゃないか。そんな言葉には騙されないぞ)

私「とにかく即決はしません。最初に自分で決めたことですから、それは守ります。時間が無駄になってもいいんです。ここで方針を変えることはないです。だからこのやり取りが無駄なんですよ。最低額を教えてください。」

少し呆れた様子のC社担当者。

C社「わかりました。最低額は7万です」

私「わかりました。ありがとうございます」

C社は最低額を言うと挨拶もまともにせずに帰っていきました。去り際が雑なのはA社とC社です。今思えば、A社もC社も自分たちが買い取ることにならないことはわかっていたのでしょう。即決させなければ買い取るチャンスはない、それがわかっていたから去り際が雑なのだと思います。これからもやり取りするかもしれない相手なら、あんなに雑には帰らないでしょうね。

 

D社は道に迷ったようで少し遅れてきました。

担当者は30代前後の男性です。査定が済むとこちらの様子をうかがってきました。

D社「みなさん額を答えましたか」

私「みんな即決を希望していました。でも私は4社の査定をすると決めてたので最低でもこの額は出すという額を聞いて終わりました」

D社「即決しないでくれてありがとうございます。きれいな車ですよね、事故もないですし修理もないですし。」

私「ありがとうございます。最低額を教えてくれますか。」

D社「13万です。それ以上は上と交渉してみないと。」

私「わかりました。」

D社「ほかの会社どうでしたかね。」

私「まぁ、それぞれですね。どこの会社も額は変わらないと言いつつ、差はありました」

D社「もしうちで考えていただけるなら、上と交渉します。15万はいけると思います。18万で即決していただけますか。」

私「即決はできません、これからほかの業者と話すので」

このとき、B社から電話がありました。

B社「まだ査定中ですかね、即決しましたか。」

私「いえ、即決はしていません。」

B社「よかった、とりあえず15万は出せます。それだけお伝えしたくて。もうすこしがんばります。」

私「ありがとうございます。今来てる業者が18万出すって言ってて」

B社「わかりました!では20万なら即決してくれますか?」

私(ここまで来たし、B社が一番好感度が高い。20万なら即決してもいいや。A社なんて5万って言ってたし)

私「はい、20万なら即決します」

B社「頑張ってみます!」

 

D社に向かって

私「ほかの会社が20万出すって言ってます」

D社「え!20万ですか・・・それはうちとしてはムリですね、18万でさえギリギリどうにかなるかどうかというところでしたので。そうですか、残念です。でも、20万というのはとてもいい数字だと思います。20万出してもらえるならそこにしたほうがいいですよ。」

私「すみません。。。ありがとうございました」

D社「いえいえ、また何かあればよろしくお願いいたします。」

 

10分経たないうちにB社から電話がありました。

B社「すみません・・・20万はムリでした。18万が、うちが出せる額です。もうほかのところに決めてしまいましたか」

私「いえ、まだ決めていません。18万でB社さんにお願いしたいです。」

B社「ホントですか?よかった」

私「一番丁寧に対応してくださったのがB社さんなので、私としてもB社さんにお願いしたいと思っていました」

 

以上が車を買い取ってもらう時のやりとりでした。

今更ですが買い取り業者名を明かすと以下の通りです。

A社:ビッグモーター

B社:カーチス

C社:ガリバー

D社:カーセブン

 

店舗や担当者によって対応は異なると思いますので、あくまで私の経験から感じたことです。

ビッグモーターは私の車をけなしました。古いしグレードもよくないし、、、といった感じです。それはこちらも認識していますが、言われていい気分はしません。安く買い取るための手法かもしれませんが、私は非常に不快でした。

ビッグモーターとガリバーは即決にこだわりました。逆に、即決しないとわかるとあっさり引き上げました。即決専門の買い取り業者なのでしょうか。ガリバーに至っては、私が即決を拒むと「そのやり方が意味不明!無駄なのに!!」というようなことを言い返してきました。車の買い取りについて、車の売り手より買取業者の方が立場が上なのでしょうか。私としては、気に入らないなら引き上げていただいて構わなかったです。

カーチスとカーセブンは私の車をけなすことも、即決を拒むことに対する否定もなかったです。カーチスはかなり褒め調子でした。4人の中で一番年配の担当者でしたが、年下の私に一番丁寧で頭を下げていました。そして買い取りたいという意思が伝わってきました。ビッグモーターとガリバーの、口先だけの「上との掛け合いがんばります」とは全く違いました。カーセブンは車を褒めつつ、冷静に見極めているようでした。

私としては、最初に提示されたビッグモーターの5万よりずいぶん上がったし、一番対応がよかったカーチスに売ることができて満足です。新車で購入した時の15%位で売れたことは満足です、なんせ10年乗ってますから。

 

これから車を手放す方にアドバイスするなら、即決はやめたほうがいいです。より高く売りたいなら絶対に即決は避けましょう。でも、業者は即決をゴリ押ししてきます。ここで負けてはダメです。「即決はしない、即決に関する交渉はやめましょう、お互い無駄ですよ」ここまで言い切って即決を避けるといいと思います。

あと、買い取り価格以外の諸々の費用も確認しましょう。カーチスの場合は、買い取り費用にリサイクル費用などを含むので、18万円ちょうどを振り込むとのことでした。それ以外のバックはないし、それ以外の支払い(陸送費)などもなかったです。ガリバーは陸送費やら、修繕保険みたいなものも要求してきましたから、まともに払っていては手取りが減ります。あとになって陸送費などを要求されないよう、きちんと確認しておいたほうがいいです。

交渉中は多少神経がすりへります。でも交渉することで買い取り価格が上がるなら、時給数万円のバイトだと思って交渉した方がいいと私は思います。交渉といっても何日もやるわけではありません。その場の数十分程度の会話です。それで買い取り価格が数万、数十万かわるわけですから、より高く買い取ってもらいたいなら交渉したほうがいいと思います。やりたくない気持ちはわかりますけどね。